セーリング オーストラリア遠征
wrote by matsunaga

オーストラリア上陸
1月11日更新
新年明けましておめでとうございます。いよいよ最終決戦の時がやってきました。我々Three Bond Sailing Teamは、1月3日に日本を発ち、オーストラリアに着いてから1週間が過ぎました。こちらは、日本と違い真夏です。30℃以上が基本で、ひどい時には40℃近くまで気温が上昇し激暑です。我々も暑さに負けずに選考に向け気分上昇中ですが、さすがに日差しの強さにやられています。コンディションは、決まって昼過ぎからシーブリーズが10m近くまで吹き上がってきます。波は、そこまで高くはないのですが、出艇や着艇が遠浅の砂浜のためにやや危険です。
 

このような荒波の中で出艇します。危険極まりない!!!
生活のリズムとしては、大会中は13:00スタートなのでそれに合わせて、8時30分朝食→昼に出艇→練習→20:00夕食といった感じです。こちらは、日が長く夜は21:00くらいまで明るく、比較的のんびり生活しています。食事は、日本の調味料が売っているために日本食も作れ万々歳です!!今回は、シェフ兼サポートとして、松永の小学時代からの悪友の渡辺君が来ています。彼もこの前の選考レースまで470に乗っていました。しかも、2年前の同志社ウィークでは、太郎の変わりに一緒に出たこともあります。そんなんで、男3人の遠征になっています。いつもと違いサポートがいる分レースに集中できそうです。
 こちらに来てからの練習は、ボートスピードUPを中心にやっています。広島での選考後に急いで船をオーストラリアに送ったので、マストのセッティングや艤装に戸惑っています。なにをするにもとにかく暑いので嫌になりますが、その先に見える勝利のためにはやるしかないです。また、作業をしていると、どこからともなくハエの応援団が群がってきて応援してくれるのはいいのですが、はっきり言ってウザイです!!

練習風景。なかなか吹いてます。
 今回の最終決戦の様子はこまめに載せる予定にしていますので、これを見て一緒に戦ってください。我々は、まずはハエとの戦いから始まり、24日の世界選手権に挑みます。他のチームなどはセールメルボルンという近場のレースに参加するみたいですが、我々は世界選手権にすべての標準を合わせますので参加しません。

左は整備に必死な上野。右はハエのいる中でも満面の笑みのサポート渡辺君。



ささった!!!
1月13日更新
みなさん!元気ですか?!元気があれば何でもできる!!我々は、本日それを実感しました。明日からセールメルボルンが近くのハーバーで開催されるために、多くの選手はそちらに移動しセールメルボルンに参加するみたいです。わがチームは、居残りでワールドに向け練習です。本日は、女子ワールドチャンピオンのオランダのマルセリンチームとマル秘練習をしました。1艇で出艇していたところオランダチームが出てきたのを発見。ここぞと言わんばかりにお願いして一緒に練習してもらいました。

ちょっとバウが出ちゃった!
彼女たちは、強風の速さには定評があり、ワールドも3連覇中です!!彼女たちもセールメルボルンには参加せずに現地での練習をするみたいです。男子顔負けの速さと言われるだけありさすがに速い。But、今日のThree Bondは、いつもとは違いました。ワールドチャンピオン相手に互角の勝負!!!!時より上突破をする場面もありました。があくまで女子。「ウィルモットたちは、もっと速いはず」と更なる研究中です。ここオーストラリアは並みの波ではありません!!一瞬の判断の遅れが地獄への第一歩です。事件が起きたのは、マルセリンとの熱いダウンウィンドのときでした。戦いにヒートし勝負をかけてビックウェーブをゲットとした瞬間? 後ろからセンターボートが見えるくらいのバウ沈をしそのまま海水浴状態でした(チーン)幸いマストは、無事でしたが恐るべき波でした。しかし、良い練習ができています。
ここに残ってこんなに素晴らしい練習ができると思っていませんでした。オランダのコーチも良い人そうなので明日以降も秘かにオランダチームと練習できれば最高です。

良い練習できてます♪



オリンピック代表に内定
2月10日更新
北京オリンピック出場の内定が決まりました。広島での第1次国内選考レースとオーストラリアでのポイントの合算からオリンピック代表が選出されるというシステムです。世界選手権の予選の最終レースが終了し、94艇が参加の中、1番上のグループであるゴールドフリートに残ったのは、私達だけでした。この時点で私達のオリンピックが決まったのです。予選が終わった時点で、オリンピックに内定!!!正直なところ信じられませんでした。ほんとに俺たちが代表???しかしながら、まだレースが終わったわけではありません。決勝に入っても気を抜かずに頑張ろう♪
JSAFのランキングシステム上で15位以内に入ると補助金が大きく変わってきます。予選を26位で通過しましたが、次の目標として、15位に入ること。さすがにゴールドフリートに入ると楽にレースはさせてもらえません。一瞬の気の緩みがあると5艇、10艇は簡単に抜かれてしまいます。せっかくシングルにいても10番台に落とすこともあり、ヨットレースの組み立て方の修正が今後の課題になりそうです。反対に風のシフトに乗り遅れ、第一上マークをビリの方で回航したレースでは、クローズホールド、ダウンウィンドで着実に抜かし、10番台までジャンプアップしたこともありました。
第9レースでは本部船よりからスタートしましたが、無常にも風は大きく左にシフト。周りの艇がタックしていく中、ポジションをなくし、ほとんどの艇に前を通られました。冷静になって風をみていると、コースの中央付近に筋のブローを発見。ポートに長い筋のブローで大きく右に展開し、レイラインの手前で今度は大きく右にシフト。すかさずタック。第1マークをトップ回航。後続の2艇はテイルトゥー・ノーズの状態で後ろにピタッとついてます。2番手はイスラエルのチーム。世界選手権で3位以内に入る、強豪チームです。気は一切抜けません。第1風下マークに向かう途中、ジャイブポイントを失敗し、イスラエルに内側でオーバーバーラップされ、イスラエルに抜かれてしまいます。第2上マークではお互いに意識しあいながらはしりますが、せり勝って、リードを広げて、そのままフィニッシュ♪
ゴールドフリートでのトップフィニッシュはほんとに気持ちいいものでした。日本のコーチ陣、海外の選手からも祝福されました。この時、忘れかけていたものを思い出しました。ヨットは楽しいということ。楽しむことこそ、ヨットレースでのリズムの作り方であるとこの時感じました。

トップフィニッシュ後
最終レースを残して、総合16位で15位の目標までは、あと1艇。冷静なスタートとコース取りで5位フィニッシュ。総合15位に浮上し、ぎりぎりではありますが、目標を達成。
オリンピックを意識してトレーニングをつんだ、3年間。思い起こすと、辛い日々ばかりが浮かび上がってきます。レース前にこのような結末になるとは予想もしていなかったし、まずはゴールドフリートに残って、そこでいかにして戦うかばかりを考えていました。広島での第1次選考レースで、1位や2位だと相手を意識するかもわからなかったと思いますが、3位に終わったので、思い切ってレースするだけでした。あとは天に任せます。っていう感じで…積極艇に責めてレースできたのが今回の結果につながったのではないかと分析しています。
あらためて、ヨットレースはメンタルスポーツなんだと感じさせられました。日本に帰ってたくさんの人から祝福をうけて、初めて自分達がオリンピック代表であるという実感がわいてきました。これからが真の勝負になります。日の丸というたくさんの期待が詰まった大きなものを我々が背負っていくことになります。プレッシャーを楽しめる余裕を持ってレースに臨めるような体制を作っていきたいと思います。みなさん、最後まで我々と共にオリンピックを戦いましょう。

スリーボンドチームのスリーボーイズ
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