セーリング 2008年ナショナルチーム選考レース
wrote by matsunaga

 長かった。レースが終了した時に思った感想だった。オリンピック出場をかけた第1次選考レースが広島の観音マリーナで11月10日から開催されました。セール広島、中国470選手権、ナショナルチームの強化合宿など観音マリーナに来たことは数多く。今年一番練習した場所じゃないかと思います。2008年の1月に開催される世界選手権に出場するには今大会で4位以内に入る必要があります。つまり5位以下は自動的にオリンピックへの出場権を失われることになります。オリンピックへはこの広島大会と世界選手権のポイントの合算で選出されることになります。ただ、この広島大会のほうが、ポイントが高いため出場選手はもちろん優勝を狙っていたことでしょう。もちろん我々もここで優勝するために練習してきました。
夏場は陸の気温が高くなると午後から3〜5メートル程度の弱い南風が吹くことが多かったのですが、11月になると秋の弱い北風と、陸と海水との気温差で生じる南風がぶつかり合い、なかなか安定しませんでした。北よりの風の場合はものすごいトリッキーな風が吹き、選手もまったく予測不可能な風が多かったです。生きるか死ぬかは神のみぞ知るといった感じでした。1位をはしっていても一瞬で最後尾まで落ちることもしばしば…相手を気にしている場合ではありません。すべては風です。どちらかというと我々は相手よりも風を見てのセーリングスタイルなのでここはぴったりかと思っていました。が、が、ふたを開けてみると…さっぱり風とかみ合いません。せっかく良くても大幅に順位を落とすこともありました。この選考レースまでは広島では負けなしだったので、正直なところ焦りました。ただ、レース期間が長かったので、なんとでもなるやという気分でした。苦しんでいるのは自分たちだけでなく、2007年度の他のナショナルチームの選手も苦しんでいました。みんな苦しいのです。陸上での風待ちも多く、精神的に厳しいレースになりました。

レース前の練習風景
レース後半になり、良い風が吹いた日が2日あり、さすがにそこはナショナルチーム勢の走りが素晴らしく、上位に上がってきました。最終日、前日の時点で、僕たちは3位。決して楽なポジションではありません。一歩間違えると5位以下に落ちることも十分に考えられるポジションでした。その夜はさすがに落ち着かない。普段考えないことまで考えてしまいました。いや大丈夫!!!俺たちは強い。そう思っているうちに寝ていました。
迎えた最終日、予想だにしない10メートル近い風が吹きました。ヒャッホウ〜!待ってましたよ。しかしながら、結果は変わらず3位。負けてしまったけど、とりあえずは予選通過。敗因はボートスピードではなく、思い切りのなさでした。端にでないといけない場面で、コースの中を走り過ぎたことです。う〜ん。周りのチームより先に良い風を拾うことには自信を持っていただけに、残念な結果となってしまいました。どこか守りに入っていたところがありました。でもまだまだチャンスはあります。この悔しさを取り返す場面がまだあるのです。舞台はオーストラリア。晴れて北京オリンピック代表になって、気持ちよく日本に帰ってきます。これからもみなさんの暖かいご声援をお待ちしております。

スリーボンドトレーラー。かっちょいい!!!
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