セーリング ナショナルチーム選考レース
wrote by matsunaga

2007年度のナショナルチームを決める選考レースが葉山のあぶずり港で開催されました。私達の現在の活動拠点である葉山マリーナとはお隣さんになります。2008年のオリンピックと直結するレースではありませんが、世界選手権(男子5位以内)とプレオリンピック(男子1位のみ)の権利があたえられます。もちろん、JSAFからの補助などオリンピックキャンペーンをしていく上では、非常に大事なレースです。全日本で優勝することにも意味はありますが、選考レースで優勝することの方がオリンピックへ向けての価値は上がります。もちろん我々が目指したのは優勝の2文字。レースに出る以上はもちろん優勝しか考えてませんね。だって、オリンピックに出場するには1位通過しなくてはならないですから…しかしながら、結果は3位。

12月の進水式にて。我らの3号艇!これから頑張っていこうな!!
ナショナルチームには入りましたが、ぜんぜん駄目でした。今回はあえてレース内容については語りません。選考レースをむかえて特に気持ちが入りすぎていたわけでもなく、いつもどおりの精神状態でした。しかし、ふたを開けてみると…敗因は明らかでした。気持ちのコントロールが出来ませんでした。男子11艇でのレースでは1点の重みが非常に大事になってきますが、普段なら前の艇を抜けるはずの場面で抜かすことができなかったり、逆に抜かれたり、まったくといってもいいほど良いところなし。はっきりいってめっちゃめちゃ凹みました。絶対にレース開催中に下をみてはいけないのですが、多少ネガティブな自分がいました。というよりもレース中考えるべきではないこと(些細なこと)を考えてしまいました。コンビネーション、考え方、体の使い方など、練習の間に話す様なことを考えてしまいました。誰だって失敗はするものです。レースで普段の80パーセントも力がでれば最高ではないでしょうか!!!ミスのないレースなんてこの世にありえない。僕はそう思っています。ミスの回数を減らす。ミスした後のリカバリーをする。ミスの質を上げる。それを克服していくのが練習なのです。でも今回はミスがミスを生み、精神的ゆとりがみるみるとなくなっていった。いや、今思えば闘志が奪われていった。そういった方が表現としては適切でしょう。過去にほとんど経験したことがない精神状態に陥りました。もうそうなってしまったら勝てないですね。僕の経験上、勝つときはこれといって何も考えてないです。良いスタートをして、良いポイントでファーストタックをして、後は自然な流れでレースをするだけ。非常にシンプルなものです。陸に上がってレースを振り返ろうと考えても思い出せない時もあります。それが、僕にとって最高のレースです。無心になって集中できていた証拠だと思ってます。どうしても大きな舞台にたつと今までどおりのパフォーマンスが発揮できなかったり、周りに圧倒されることがあります。そういったことは今はほとんどないのですが、今回は単純に自滅してしまっただけですね。あらためて、スポーツはメンタル面がレースの結果に大きくつながることを学びました。
世界選手権などのメジャー大会で、圧倒的な成績をおさめていながら、オリンピックでは惨敗する選手がいます。オリンピックには魔物が住んでいると言われますが、魔物というより今回の僕達のように自滅していってるだけな様な気がして他なりません。究極のメンタル勝負の場所こそが、オリンピックではないでしょうか!
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