セーリング 世界選手権
wrote by ueno

スタートって難しい。とても難しい。と言っても、これは技術的な事ではない。全レースを通じて、最もリコールが多いレース、それが第1レースである。理由は様々だろうが、何よりも気負い(=プレッシャー)が一番の原因じゃないだろうか。そして今回、我々もやってしまった。満を持して望んだ世界選手権だった。中国のコンディションは軽風・シフティー、我々が得意とし且つ海外のトップ選手と十分競合できる自信があった。上位を走れるという「自信」が、今大会がチャンスだという「気負い」が、第1レースでのリコールとなった。一度狂った歯車は、なかなか元に戻らない。カットレースがあるから、もちろん気持ちを切り替えて次のレースに臨むのだが、ことごとく狙いが外れる。これがレースの流れであり、私達は改めて緒戦の重要性を学んだ。「気負わずに」というのは難しいかもしれないが、練習を重ねる事で揺るがない自信を持ち、「気負い」をプラスに変えれるようにしたい。

世界選手権が開催された日照での事前合宿時。
あまりにも暑くて何回脱皮したことか!!!
という話はさておき、本当に今大会は読みが完璧に外れた。潮の影響も多少はあったが、やはり風を読みきれなかった事が敗因だと思う。スタートは有利エンドから出る事が鉄則だが、今回は有利エンドよりもスタート後のシフトを優先して考えた。つまり、スタート時に多少ロスはしても、誰よりもファーストシフトを早く拾い、スタートのロス以上のゲインを得ようって事。今回の会場のようにシフトが大きい海面は、非常に重要な事だった。しかし、風を読み違えてゲインできなければ・・・。時によっては、1レグの間に大きなシフトが数回入る。ファーストシフトでゲインして途中まで良くても、上マークアプローチ前の最後のコース取りで、一気に10艇以上抜かれる事もあった。(3グループでやってるから、10艇抜かれるって事は全体で30艇に抜かれるのと同じ!痛すぎる!)中国遠征そして世界選手権を通じて思った事。それは正直に言って、練習不足。春の欧州遠征前に腰を痛めてから、詰めて練習ができてない。世界で上位を走るのは、やはりそんなに簡単じゃない。ただこれからは、葉山マリーナで集中的に練習ができる。やっと土台は整った!さぁ、気持ちを切り替えて、ここから再スタートだ!!

ホテルからハーバーまで20分以上かけて自転車で通いました。
一般道なのに100キロ近いスピードで車が走るため、非常にデンジャラス
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