セーリング ISAFワールドセーリングゲームズ
wrote by ueno

4年に一度の大会。そう、それが「ISAFワールド」です。オリンピックも4年に一度だけど、ちょっと違うのは、チャーター艇を使用し全員が同じ条件でヨットレースに臨む事。つまり、純粋に操船技術を求められ、且つ短時間でその艇のより良いチューニングを発見する事が重要になります。
今回の舞台になったのは、内陸国であるオーストリア。首都ウィーンから南に50㎞ぐらいの所にある湖です。噂によると、世界遺産らしいのですが・・・、結局確かな情報は得られず。ここの湖はスゴイんです。スゴ過ぎるんです。えっ、何がって。それは湖水の色。まさにコーヒー牛乳。ちょっと浸かるのが怖いぐらい。しかも、湖の中心でも水深が浅いらしく、足が着くらしい。(僕達は残念ながら沈しなかったので分かりませんが。笑)そのため、レース中に沈した艇は、マストより先にブームが湖底に刺さってました。
大会は11日間もあり、最初の5日間が予選。中一日休憩を挟んで、決勝4日間の最終日がメダルレースでした。また、世界ランクトップ10のチームは予選を免除されているので、決勝からの参加となり、そのため予選のスコアは決勝に持ち越されないというシステムでした。さてレースは微風シリーズと思われたのですが、初日から15ノットを越すコンディションとなりました。慣れない艇に戸惑い、また第一上マーク付近の最後のシフトを掴めず、なかなか上位を走れません。しかし二日目は風力が落ち、落ち着いてレースができるようになってきました。しかしコース取りが上手くいきません。ここの風はシフトが激しく、片側が延び始めたのを見てそちらに向かうと、今度は反対側が延びる始末。また、マーク付近の最後のシフトはありえない程のシフトを伴い、順位が大きく入れ替わります。でもそんな大きなシフトなら、みんな海面を見れば分かると思いますよね!?でも説明した通り、湖面は見事なコーヒー牛乳色。この色はブローが非常に分かりにくいんです。結果、僕らが気を付けたのは常にプラスを走る事。それと天気の移り変わりが激しいので、雲の動きにも注目しました。そのお陰か、予選の最後3レースは4-3-5位と安定した順位で走れました。まぁ結果と同様に内容も良かったかと言うと微妙ですが、1上マークまでの最終シフトを確実に摑めた事が結果に繋がりました。何よりの成果は、フランス/イェールで課題だった中風時のスタート後のスピードが戻った事でしょう。スターボードタックを伸ばせる事で展開の選択肢が増え、周囲の艇とコースやポジショニングで勝負できました。
そして決勝ですが・・・、久々にやっちゃいまいた「OCS」。アウター側からスタートで他艇に隠れているという判断だったのですが、上マークで排除に。そして3レース目でも「OCS」。ラインが高いのは分かってたんだけど、ゼネリコじゃない場合にちゃんと走れるポジションを確保する為に第一線からスタート。それでも他艇に隠れてたハズなんだけど・・・。「レースコミッティーが、普段のレースよりかなり厳しくリコールを読む」って事を1回目の「OCS」で学ばないといけなかったのに、2度も同じミスをした事は反省しないと。そのまま良いレースができず決勝が終了してしまいました。全然力を出し切ってない。もっと前を走れるハズなんだけど。。。今回改めて感じたのは、レース中に風が落ちた時のジブトリムの重要性。ピンをつめたり、リーダーを下げたり、スプレッターを振ったりした状態で、風速の変化に合わせてベストのジブトリムができるかどうか。ここで発生するスピードの差はとてつもない差になっちゃいます。はぁ~~、本当に難しいんですよね。
今後も引き続き、確実に一つずつ課題を克服し、安定して上位を走れるチームになっていきます!
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